オルタナティブ教育の本 今回はオルタナティブ教育についてお話します。

 オルタナティブ教育とは、一般的な学校教育とは違う方法で学ぶことを意味します。

 学校教育法第1条に定められている学校での教育とは別に、もしくは「学校」の定義を広げるために、いろいろな場で多様な教育実践が行われています。

 そこでの教育方法は、新しい時代の教育を切りひらくものとして期待されています。
 
 オルタナティブ教育とはクラスを仕切る壁がない教室、机も椅子もなくアスレチックだけがある教室、校舎に落書きをしてもいい学校、そして授業をしない学校。

 こうした教育や学校が現実にあります。そうした多様な教育実践の総称、それが「オルタナティブ教育」です。

 「オルタナティブ」とは「代替の」とか「もうひとつの」といった意味です。

 したがって「オルタナティブ教育」は、「ふつうの教育」とは異なる「もうひとつの教育」であると言えます。

 その特徴をひと言で表すことはできませんが、それぞれ独自の教育理念を掲げ、子どもの個性を生かした教育、多様性を重視する教育を実践しています。

 オルタナティブ教育には、さまざまな形態があります。世界には多くのオルタナティブ教育を実践している学校があります。

 日本でも不登校の子どもたちや多様な教育を求める子どもたちのために、オルタナティブ教育が実践されています。

 オルタナティブ教育は、新しい時代の教育を切りひらくものとして期待されています。

 オルタナティブ教育は、子どもの個性や自由を尊重し、学びの主体性や創造性を育むことを目的としています。

 オルタナティブ教育には、さまざまな種類がありますが、ここでは海外と日本で代表的なものをいくつか紹介します。

海外のオルタナティブ教育の学校

サマーヒル・スクール

 イギリスにある世界最古のオルタナティブ・スクールで、A.S.ニールによって1921年に創設されました。

 サマーヒルでは、子どもたちは自分の興味や欲求に従って自由に学びます。

 授業への出席は任意であり、成績評価や試験もありません。

 子どもたちは学校の運営にも参加し、民主的な決定を行います。

 サマーヒル・スクールの公式サイトでは、その理念や歴史、日常生活などについて詳しく紹介されています。

サドベリー・バレー・スクール

 アメリカにあるデモクラティック・スクールの代表例で、1968年に設立されました。

 サドベリーでは、子どもたちは自分の好きなことを自分のペースで学びます。

 教師は指導者ではなく、協力者や友人として子どもたちと関わります。学校の運営は全員が平等に参加する学校会議で行われます。

 サドベリー・バレー・スクールの公式サイトでは、その特徴や活動、卒業生の声などについて紹介されています。

オルタナティブ教育の代表例

シュタイナー教育

 シュタイナー教育は、神秘思想家ルドルフ・シュタイナーの考えを基に展開されています。

 ドイツでは最も普及しているオルタナティブ教育のひとつで、「ヴァルドルフ教育学」という名でも親しまれています。

 シュタイナー教育の特徴は、教科ごとに学習内容を輪切りにするのではなく、いろいろな教科の内容をひとつの時間で総合的に学ぶ「エポック授業」の方式を採用することにあります。

 また、数値による成績評価を原則として廃止し、教師のコメントによる学習達成度の評価が行われます。こうした教育に携わる教員を育てる独自の教員養成システムを確立している点も特徴です。

モンテッソーリ教育

 イタリアの幼児教育者であるマリア・モンテッソーリが考え出したモンテッソーリ教育は、子どもの自発性や自由を重視した幼児教育の方法として日本でも注目を浴びています。

 幼児の発達段階に応じて、子どもが自立できるように全人的な教育プログラムを設計している点を特徴としています。

イエナ・プラン教育

 ドイツのイエナ大学の教授ペーター・ペーターゼンが1927年に始めたイエナ・プランの特徴は、異年齢の子どもたちによって学級が構成される点にあります。

 またイエナ・プラン学校では、会話・遊び・活動・催しの4つの活動を基本とし、それを循環的に行うことで教育が実施されています。

日本におけるオルタナティブ教育

 オルタナティブ教育は日本でもいろいろなかたちで試みられています。それには主に3つの流れがあります。

不登校の子どもたちを対象にした「フリースクール」

 フリースクールは制度的な意味で「学校」とみなされないケースが大半ですが、学校に行くことができない子どもたちを受け止めて教育を提供しています。

アメリカやヨーロッパの教育運動に影響を受けたオルタナティブ教育

 1900年代の始めに現れた「新教育」(改革教育)と呼ばれる教育改革運動から始まった教育で「シュタイナー学校」や「モンテッソーリ教育」「イエナ・プラン」を実践しているスクールが各地にあります。

 各校で独自のカリキュラムを作成し、学級編成の方法工夫し、一般的な学校とは異なる教育が実施されています。

アメリカの教育運動の影響を受け、民間のNPOなどが主体となり公立学校の設立を目指す運動

 1997年から2014年まで、NPO「湘南に新しい公立学校を創り出す会」の運動が展開されていました。

日本のオルタナティブ教育の学校

きのくに子どもの村

 大正時代から続く日本最古のオルタナティブ・スクールで、和歌山県橋本市にあります。

 きのくに子どもの村では、「プロジェクト」と呼ばれる体験学習が重視されます。

 子どもたちは異年齢混合のグループで様々な活動を行い、社会的な問題意識や協働力を身につけます。また、寮生活が基本となっており、自分たちで生活を管理します。

 きのくに子どもの村の公式サイトでは、その教育方針やカリキュラム、入学案内などについて紹介されています。

東京賢治シュタイナー学校

 シュタイナー教育を実践する日本で最初の学校で、東京都立川市にあります。

 東京賢治シュタイナー学校では、子どもたちは12年間一貫教育を受けます。

 教育内容は、芸術や自然科学、人文科学など多岐にわたります。

 また、教師は子どもたちの心身の発達に合わせて教え方を変えます。東京賢治シュタイナー学校の公式サイトでは、その教育理念や特色、入学案内などについて紹介されています。

デモクラティックスクールさいたまあみゅーず

 デモクラティック・スクールの一つで、埼玉県さいたま市にあります。

 デモクラティックスクールさいたまあみゅーずでは、子どもたちは自分の興味や関心に従って自由に学びます。

 授業は任意であり、成績評価や試験もありません。子どもたちは学校の運営にも参加し、民主的な決定を行います。

 デモクラティックスクールさいたまあみゅーずの紹介サイトでは、その特徴や活動、入学案内などについて紹介されています。

第1章:オルタナティブスクールに共通する特徴

 最初に申し上げましたがオルタナティブスクールとは、一般的な公立や私立の学校とは異なる「新たな選択肢の学校」として、近年注目が集まっている学校です。

 各校が、独自の教育理念や方針によって、子どもの個性や多様性を尊重した教育を行っています。

 オルタナティブスクールのメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 子どもが自分で学びたいことを選択し、自分のペースで学ぶことができる。
  • 子どもが自分の学びに責任を持ち、自己評価や相互評価を行うことができる。
  • 子どもが多様な人々や環境と関わり、社会性やコミュニケーション能力を育むことができる。
  • 子どもが体験型やプロジェクト型の学習を通して、主体性や創造性を高めることができる。

第2章:オルタナティブスクールはなぜ増えて、なぜ注目されているのか?

 オルタナティブスクールが増えている背景には、不登校の子どもの増加学校教育への不満があります。

 文部科学省によると、年間30日以上学校を欠席した「不登校」の小・中学生は去年、過去最多の25万人に迫りました

 また、学校でいじめられたり、勉強についていけなかったり、自分に合わないカリキュラムや評価方法に疑問を感じたりする子どもたちも少なくありません

 そうした子どもたちにとって、学校は辛い場所かもしれません。

 オルタナティブスクールは、そんな子どもたちに「もうひとつの学校」を提供することで、学ぶことの楽しさや意義を感じさせることができます。

 オルタナティブスクールでは、子どもたちの興味や関心に沿った学習内容や方法を用意し、子どもたちの自発性や自由を重視します。

 また、オルタナティブスクールでは、数値による成績評価をしないことが多く、子どもたちの個々の成長や努力を見守ります。

 こうした教育方法は、「ふつうの学校」に慣れた私たちには特異なものに映りがちですが、子どもたちにとっては新しい可能性を開くものです。

 オルタナティブスクールは、新しい時代の教育を切りひらくものとして期待されています。

 社会がかつて無いほど急速に変化している中で、子どもたちは将来何を必要とするかわかりません。

 しかし、オルタナティブスクールでは、子どもたちは自分で考えて行動する力やコミュニケーションする力を身につけることができます。

 これらの力は、どんな時代でも役に立つスキルです。

 オルタナティブスクールは、子どもたちの未来を見据えた教育を提供しています。

第3章:オルタナティブスクールの通学を出席扱いにする方法

 オルタナティブスクールに通う子どもたちは、どうやって義務教育を修了するのでしょうか?

 オルタナティブスクールの多くは無認可で、卒業資格を得ることができないため、子どもたちは、近所の公立学校などに籍を置いています。

 しかし、そのままでは不登校扱いになってしまいます。そこで、オルタナティブスクールの通学を出席扱いにする方法があります。

 その方法のひとつは、在籍している学校長の許可を得ることです。

 オルタナティブスクールと在籍している学校とが連携して、子どもの出席状況や学習状況などを定期的に報告することで、オルタナティブスクールでの活動が出席として認められることがあります。

 この場合、オルタナティブスクールでの成績をそのまま学校での成績とする取り組みも始まっています。

 もうひとつの方法は、2016年12月に成立した「教育機会確保法」を利用することです。

 この法律では、不登校の子どもたちなどの「教育の権利」を保障するために、教育基本法に定められた学校以外の場で普通教育の機会を確保することが目指されています。

 この法律に基づいて、国や自治体が認定した教育機関(認定NPO法人や社会福祉法人など)で教育を受けることができれば、出席扱いとなります。

 ただし、この方法はまだ始まったばかりで、認定された教育機関はまだ少ないです。

 オルタナティブスクールに通う子どもたちは、これらの方法で義務教育を修了することができます。

 しかし、事前に調べておくことや在籍している学校と相談しておくことが必要です。その点は要注意です。

第4章:オルタナティブスクールを利用するメリットとデメリット

 オルタナティブスクールを利用するメリットとデメリットは何でしょうか?それぞれについて見てみましょう。

メリットとしては

  • 子どもが自分の興味や関心に沿って学ぶことができる。
  • 子どもが自分の能力や進度に合わせて学ぶことができる。
  • 子どもが多様な人々や環境と関わることができる。
  • 子どもが体験型やプロジェクト型の学習を通して、主体性や創造性を高めることができる
  • 子どもが自分の学びに責任を持ち、自己評価や相互評価を行うことができる

デメリットとしては

  • 認可校が少なく、不登校扱いになることがある。
  • 上級校が併設されていないことが多く、高校や大学への進学に困難があることがある。
  • 学校の数が少なく、自宅から通える範囲にないことがある。
  • 学費が高額になることがある。

 オルタナティブスクールを利用するメリットとデメリットは、子どもや親の目的や価値観、状況や条件によって異なります。

 オルタナティブスクールは、一般的な学校教育に合わない子どもたちにとっては救いの手となることもあります。

 オルタナティブスクールを選択する際には、よく調べて比較検討することが大切です。

第5章:どんな子どもがどんな目的で利用すると良いのか?

 オルタナティブスクールは、どんな子どもがどんな目的で利用すると良いのでしょうか?

 それは一概に言えませんが、以下のようなケースではオルタナティブスクールを検討してみる価値があるかもしれません。

学校に行くことができない子ども

 不登校や登校拒否、学校恐怖症などの理由で学校に行くことができない子どもたちは、オルタナティブスクールで学ぶことで、学ぶ楽しさや自信を取り戻すことができます。

 オルタナティブスクールでは、子どもたちのペースや気持ちを尊重し、無理や圧力をかけません。

また、同じように学校に行けない仲間や理解ある教師と出会うことで、孤立感や劣等感を克服することができます。

学校で満足できない子ども

学校で勉強する内容や方法に興味を持てなかったり、自分に合わないと感じたりする子どもたちは、オルタナティブスクールで学ぶことで、自分の好きなことや得意なことを深く掘り下げることができます。

 オルタナティブスクールでは、子どもたちの興味や関心に沿ったカリキュラムやプロジェクトを用意し、自由度の高い学習環境を提供します。

 また、オルタナティブスクールでは、芸術や自然科学など多岐にわたる分野を学ぶ機会があります。

他者との関係性を築きたい子ども

 学校で友達や先生と上手く関われなかったり、コミュニケーション能力に不安を持ったりする子どもたちは、オルタナティブスクールで学ぶことで、他者との関係性を築くことができます。

 異年齢の子どもたちや教師が協力して学ぶことが多く、互いに尊重し合う雰囲気があります。

 また、地域や社会とのつながりを大切にし、実際に外に出て活動することもあります。

 オルタナティブスクールでは、子どもたちの個性や多様性を尊重した教育を行っています。

 オルタナティブスクールは、学校に行くことができない子どもや学校で満足できない子どもや他者との関係性を築きたい子どもにとっては、有効な選択肢となります。

第6章:札幌WEBプログラミングスクールの紹介

 札幌WEBプログラミングスクールは、オルタナティブ教育の一つとして、プログラミングを通して自分のアイデアを形にすることができる学校です。

 プログラミングとは、コンピューターに命令を与えて動かす技術です。プログラミングを学ぶことで、以下のようなメリットがあります。

  1. プログラミングは、論理的思考や創造力を鍛えることができます。
  2. プログラミングは、自分の好きなものや興味のあるものを作ることができます。
  3. プログラミングは、コンピューターやインターネットの仕組みを理解することができます。
  4. プログラミングは、将来の仕事や学問に役立つスキルです。

 札幌WEBプログラミングスクールでは、初心者でも安心してプログラミングを学ぶことができます。

 経験豊富な講師が丁寧に指導します。

 札幌WEBプログラミングスクールでは、オンラインでも教室でも受講することができます。

 自分の都合に合わせて選ぶことができます。
 

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