研究の結果、最も共通するのは文理両系でほとんどの受賞者が自分の専門分野だけでなく、文学や芸術、社会科学や歴史など文科系の分野にも深い造詣を持っていた事だそうです。
(参考サイト 『ノーベル賞受賞者に共通するアートへの関心』)
一例を挙げれば、日本人初のノーベル物理学賞受賞者である湯川秀樹博士は、祖父より漢学(論語や四書五経のような中国文学など)を、書道を兼ねて幼少時から習わされました。
受賞理由となった中間子理論は荘子の胡蝶の夢と、禅の教科書といわれる『無門関』という本から思いついています。
物理や数学などの専門をひたすらわき目も降らずに追及するのは、発明・発見には最も遠い道です。
これは経営者にも言えるようで、ピーター・ドラッガーは「私は多くの名経営者が、歴史学会で有名な在野の研究者だったり、まったく反対の分野に深い造詣を持っている事に非常に驚いた。優れた経営者になるには、専門から出来るだけ遠い分野を一つ本気で学ぶと良い」と言っています。
実は人間には理系と文系というタイプがあるというのは、アメリカの研究でも科学的に否定されており、学部をこのようにタイプ分けしている国は日本だけのようです。
私の大学のゼミの教授だった斎藤要先生の最後の授業は
「昔はデカルトやベーコン、ダ・ヴィンチのように一人の人間が何でも研究した訳です。
ですから文系・理系というのはありません。」
という言葉で締めくくられました。
ダ・ヴィンチのような万能人というのが人間の典型などかもしれません。