『メディア芸術祭 小樽展』の衝撃  時代は論理からアートへ

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※ 画像をクリックすると小樽展の紹介映像がご覧いただけます。

デジタルアートはかつてのロックミュージックのように面白い

 先週、私は2020年1月26日まで開催されている『文化庁メディア芸術祭 小樽展』に行って来ました。

 TV報道では「この面白さは体験しないと分からないです!」と宣伝していましたがまさにその通りでした。とに角面白い、新鮮で美しい。

 1960年から80年代、ビートルズやローリング・ストーンズなどのロック・ミュージシャンが大スターだった時代があり、私も熱中しましたが、今はメディア・アート(デジタル・アート)にロックのようようにハマりそうです。

村上隆 写真 ところで皆さんはここ30年間、世界的なアートブーム・現代美術ブームなのはご存じでしょうか?かつてのロックなどの大衆音楽の人気は、完全にモダン・アートに移ったといってよいでしょう。

 イギリスのダミアン・ハーストはロックスター並みの人気で、年1回英国のTVで行われる『ターナー賞」の受賞司式は昭和30年代の『レコード大賞』にそっくりの国民的イベントとなっています。

 日本も村上隆はじめ奈良美智 会田誠など世界的なアーティストを輩出しています。

メディアートのどこが面白いのか?

 いったいメディア・アートのどこが面白いのか?当日体験しての感想をまとめてみました。

  1. 今まで見た事もない、異質なものを新しく組み合わせているところ
  2. 鑑賞者との対話がある。双方向性である。鑑賞者や使用者の行動によって作品が変化していく
  3. ハイレベルなバーチャルリアリティ(仮想現実)が使用されている
  4. 現実とバーチャルな空間との行き来がある。使用者はバーチャル空間に入り込み生活する事ができる
  5. 磁気センサーやプロジェクターなどの装置全てがプログラムで制御されている

 ヘッダー写真の児玉幸子さんの作品は、液体の中に金属の棒が入っているのではなく、砂鉄と油の混ざった液体が、鑑賞者が発する声によって、プログラムが磁気発信機に命令し、声に応じた立体を立ち昇らせるのです。

 『人喰いの大鷲トリコ』(ヘッダー写真)というゲームは、使用者が主人公となり、トリコとどう交流するかにより、トリコの性格と得られる結果が変わってくるのです。
 トリコに話しかければ、その都度、トリコが反応していきます。
 引きこもりになった中学高校生にとって、このゲーム空間がその子の住む空間となってしまう危険性も感じさせます。

 総じて、これらの作品は従来の秩序・ヒエラルキーを逆転し無効化しているのが特徴です。

 現実と空想、遠いと近い、富裕と貧乏、科学と美術、高いと低い、制作者と鑑賞者、異性恋愛と同性恋愛。

 これらの垣根が無効化され、シュルレアリスムの中心概念の『重いものは軽い』(羽毛の総体は重いが、空中に放てば軽い)を具現化しています。

 そのため、これらのヒエラルキーが固定観念として染みついているガチガチの頭の壁をぶち壊され、鑑賞者は思考と空想の自由な飛翔へと誘われます。

 ヘッダー社員の『不可能な子供たち』という作品は女性カップルのDNA解析をし、2人の遺伝子を受精させて出来るであろう子供を医学的に予測し、もし生まれて生活したらどうなるかをシミュレーションした写真です。
 実はこれは近い将来医学的に実現可能であり、それは男女のみが子供を作れるという垣根を破壊する行為です。

現代はアートが高い価値を持ち、大衆に求められる時代になりました

 日本の初等中等教育の現場では、美術やアートが『何の役に立つのか』と疑問視され、美術は英語や数学などと比べ教科の中では傍系のものとして扱われて来ました。

 しかし、現在はアートや美が、『大衆が最も求める価値あるもの』になって来ています。

 日本のアニメ作品は世界的な大ブームです。

チームラボ 作品写真 その先駆者にスタジオ・ジブリがありますが、小樽展に出品しているチームラボも価値あるメディアアート作品を発表している企業です。

 東大数理工学科出身の猪子社長が対談で以下のように発言しています。

 参照ページ・・・『猪子さんマッキンゼーがきらいじゃないですか?

 つまり、アート作品でなくては商品もサービスも価値を持たない。しかし、「開成高校から東大に行って、コンサルティングのマッキンゼーに入って、言葉を使って論理的に結論を出すのではアート作品は作れない」と言っているのです。

 なぜなら美や面白みというものは、言葉で表現出来ないもので、完成の領域にあるからだと言っています。

 世界の大富豪がこぞってアートを買う時代

https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%80%8C%E7%BE%8E%E6%84%8F%E8%AD%98%E3%80%8D%E3%82%92%E9%8D%9B%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%80%8D-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B1%B1%E5%8F%A3-%E5%91%A8/dp/4334039960/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E5%B1%B1%E5%8F%A3%E5%91%A8&qid=1579692863&sr=8-1 この30年は欧米に中国を入れた世界的な現代美術ブームでした。

 大富豪は、ぽっかり空いた心の虚しさや空白を埋めるために、購入アドバイザーの意見にしたがってアート作品を買い漁ってきました。
 前澤友作さんがバスキアの作品を123億で購入したのもその一例で、前澤さんがいうには「レオナルド・デカプリオに会うとほとんどアートの話をしている」そうです

 現在、世界のエリートが通常のMBA(ビジネススクール)ではなくロンドン・カレッジなどのがアートスクールでアートの講習を受けるようになって来ているそうです。

『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』(山口周 著)にこう書かれています。

「現在、世界のエリートが通常のMBA(ビジネススクール)ではなくロンドン・カレッジなどのがアートスクールでアートのこ講習を受けるようになって来ている。」

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式 山口さんは「政治や経営の汚職の陰には、当人の美意識の欠如、人文科学的な無教養がある」といいます。 つまり、「自分の行き過ぎた行動が『美しいかどうか』の判断が当人には出来ないのだ」というのです。

 山口さんの著書には『NEW TYPE の時代』 もあります。
 この本に書かれているのは、「これからは期待される答えを論理的に導き出す学校秀才では無く、アーティストのような創造力に富む人間が活躍し生き残れる時代である」といっています。つまり、私のような人間ですね。

 日本の小中高校と学習塾は、惰性で学校秀才を相も変わらず再生産しているのではないでしょうか?

 札プロでデジタルアートコースを開講

 日本を代表する、日本で最初の現代美術画廊、東京画廊の山本豊津代表に「あなたと村上隆の差は何としても歴史に作品を残そうとするぎらつく野心の有無だけだ!」と言われた現美術作家である代表の横田昌彦は、この度、札プロの小中高校生コースにデジタル・ート作成講座を新設します。

 コラージュの手法を中心としながら、私が普段使っている3次元の人物制作ソフトの『Poser』や、パステル、油絵、アクリル絵の具などのタッチで描画できる『paiter』など、GANTZの作者の漫画家、奥浩哉さんやイラストレータの『平凡』などプロのクリエーターが毎日使用しているソフトを使ってメディア・アート作品を作成する講座です。

 もちろん、冒頭で「全てのメディア・アート作品がプログラムで制御されている」とお話したように、C言語やPascal言語でのプログラミングも併行して学ぶことが出来ます
 地球環境の破壊による異常気象が深刻化する中、時代は静かにルネサンスに進んでいるのではないでしょうか?

右上の画像をクリックすると、私のアート作品紹介サイトに飛びます。

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