我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか? 画像
『我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?』 ポール・ゴーギャン作
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 前回の投稿で『有名大学の理工学部、特に情報工学科が国公立大学医学部の偏差値を抜く勢い』である事をお話しましたよね。

 今日はその事についての第2回目の投稿です。

 ところで、前ページでは北海道の晩冬の風物詩、雀の仲間のヒレンジャクの写真を載せましたね。

 今回は本題に入る前に姉妹関係にあるキレンジャクの写真を載せておきましょう。

キレンジャクの写真 まだ雪に覆われた札幌のナナカマドの木の実を丸のみする、数十羽の群れのキレンジャクは本当に美しいですが、あっという間にいなくなって近くのナナカマドの木に行ってしまいます。

 尾っぽの先端が黄色いのがキレンジャク、朱色などがヒレンジャクです。

 さて、本日は「今、医学部よりも情報系の大学や海外の大学を目指すべきなのか?」

 についての考察です。
 
 私の長年の経験による結論はこうです。

自分が本当になりたい職業になれる学校をめざしなさい!

 医者になりたければ医学部に行けば良いのです

 心底、IT系やIT技術を生かした起業に興味があるならプログラミングやIT関係のことが学べる大学が良いでしょう。

 それはなぜなのか?

個性化の過程、自分がなるべきものになる

 精神分析医のユングは人生を『個性化の過程』と呼びました。

 個性とはその人の素質と適性の事です。

 運が良ければ人間は一生を掛けて、自分の才能を思いっきり開花させていく。

 このことを職業指導学では『自己実現』といいます。

 なぜ、その時「有利」だと思う方にいくと多くの場合、ババやスカを引いてしまうのか?

 今自分に問いかけてみても、どうも明確には分かりかねるというのが正直なところです。
 
 私が小中高校生の頃、多くの子供が親に多額の借金をしてもらってまで歯科医をめざして進学しました。

 もの凄く儲かったからです。私が小学校の時の歯科医は近所に数軒しかなく、予約で治療に行くとニ階にある診療室から下の玄関まで患者が両脇にズラリと並んでマンガ本を読んでいました。

 待ち時間も当然3、4時間は当たり前。

 1日の治療の終わりには、歯科のレジはお札であふれフタが閉まらなかったそうです。

 それが今では歯科医院はコンビニより多いとか。

 それでも、儲かっている歯科医もいます。

 私の主治医に札幌清田区の『鬼頭歯科診療室』の鬼頭先生という北大歯学部卒の先生がいます。

 この先生は北海道でただ一人、歯の神経と歯根の治療の専門医である『歯内療法認定指導医』なのです。

 認定医は道内に数人いますが、5年の資格更新のために『認定医達を指導したり、学会で新たな論文を発表したり』という厳しい更新基準を毎回クリアできるのはこの先生のみなのです。

 その腕は凄まじく、まさに『神の手を持つ歯科医』とはこの人のことです。

 私が、医療事故で歯根に機械と呼ばれるドリルを折られて取れなくなった時、北大の附属病院に行ったら

 「その歯をいったん抜いて、ドリルを取り出し元に戻せるのは鬼頭先生のみなので、全てお任せしなさい。」

 と言われましたからねえ。

 「北大の教授・准教授でできる人はいないのですか?」

 と聞いたら

 「いません。うちでやる時は鬼頭先生を呼ぶので同じことなのです。」
 
 と真面目に医局員の歯科医に返されましたからねえ。(笑)

 それで、結局その歯は見事に治ったのです。その時は心底驚きました!

 なので、鬼頭歯科診療室の予約は1ヶ月待ちです。

 新患ではなく、いつも通っている患者でですよ。

 鬼頭先生にとっては、歯科医はまさに天職なのでしょう

 手先の器用さは驚くほどで、これはもう天性のものなのでしょう。

 ですから、決定的なのはどの道にいくのが得かではなく、ゴーギャンの名作の題名のように

 『我々はどこから来たのか?我々は何者か?我々はどこへ行くのか?』でして、

イノベーション オブ ライフ クリステンセン 『自分は何に向いていて、どんな能力があって、何を職業にしたら後悔しないで死ねるのか?』をハーバード・ビジネススクールの看板教授だったクレイン・クリステンセンが、著書の『イノベーション・オブ・ライフ: ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』で書いている通り、遅くとも大学卒業までに決めることです。

 「世の中に出てしまったら、日々の仕事に忙殺されて、天職のことを考えることなど不可能だから」

 という理由です。

 ちなみにこの本では、自分が大学時代に本当になりたいなと思っていた職業をめざさず、高い授業料を返済するためにヘッジファンド投資会社などに就職していった同級生や同窓生がエンロン事件やリーマンショックなどで後に犯罪者として何人も逮捕されてきた姿を見て来たエピソードがつづられています。

 この本は本当に良い本です。出来るだけ若いうちに読んでほしいです。

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