今日は。
札プロの横田昌彦です。
今日は、代表的なロボットコンテストの種類と、ロボット教室の効果を研究した学術論文の内容をご紹介します。
代表的なロボットコンテストの種類と内容
レゴ WRO(WORLD ROBOT OLYMPIAD)
札幌WEBプログラミングスクールでも使用しているレゴ社のマインドストーム EV3ロボットを使用したロボットプログラミングコンテスト。世界75以上の国と地域から7万5千人以上の小中高校生が参加する世界最大級の国際ロボット競技会です。
参加資格は12歳~19歳の小学生から大学生。選手2名または3名とコーチ1名の1組、コーチは20才以上の成人でチームを作って参加します。
競技内容は、決められたコースを、規約にしたがって荷物を運んだりして最速で駆け抜けたり、サッカーで対戦したりというものです。
国内だけでなく世界大会もあり、最近は台湾やロシアといった国が強く優勝しています。
詳しくはこちらのサイトをご覧ください!
NHK主催 ロボコン
毎年TVで放送される高専生のロボット競技会は有名ですよね。小学生ロボコンは,NHKの高専ロボコン,学生ロボコン,ABUロボコンに続く第4のロボコン(ロボットコンテスト)として2019年にスタートした小学生では誰でも参加できるロボコンです。
「自分の頭で考えて,試行錯誤を重ねながら、自分のアイデアを形にする面白さ」を体験したり,時にはライバルのアイデアに刺激され発想をグーンと伸ばしたりします。
2021年はさまざまな予選会を突破した24人が3月に東京で行われた全国大会に進出,小学生日本一のロボコニストが決定しました。
2022年大会の課題やロボット制作での規定・規約はまだ発表されていません。
2021年大会の指定使用機材はこちのココロキットでした。
2022年大会の課題や指定使用機材、ロボット制作での規定・規約はまだ発表されていません。
ロボカップ
ロボカップはWROと並んでポッピュラーなロボコン大会です。「ラジコンのような人の操作によって動くロボットではなく、自分で考えて動く自律移動型ロボットによる競技会です。
それは、「西暦2050年までに、サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律移動のヒューマノイドロボットのチームを作る」という夢に向かって、人工知能やロボット工学の研究を推進し様々な分野の基礎技術として波及させることを目的とした、ランドマーク・プロジェクトでもあります。
そのためロボカップには、ロボットによるサッカー競技「ロボカップサッカー」をはじめ、災害現場をテーマにしたフィールドで人命救助を行う「ロボカップレスキュー」、キッチンやリビングといった日常生活の場での人間との共同作業を追求する「ロボカップ@ホーム」、物流や倉庫管理システムを題材とした「ロボカップインダストリアル」、将来のロボカップを支える子供たちのリーグ「ロボカップジュニア」の、5つの分野があります。」(公式サイトから抜粋しました。)
オンライン競技も含め、2021年愛知大会には全体で107チームが参加し、熱戦を繰り広げました。
会期中延べ1万2000人以上が来場した。競技会場だけではなくサービスロボットや産業用ロボットなどの展示コーナーも設けられ、家族連れや社会科見学で訪れた小中学生らが興味深そうにロボットをのぞき込む姿も目立ったそうです。 (参照サイト)
その他、レゴ社、マインドスト―ム・ロボットの販売代理店である(株)アフレルさんでも毎年、作ったロボットの動画を送ってもらって審査する小中学生対象の『夏休みロボットアイデアコンテスト』など、いくつかのロボットコンテストがあります。
ロボットプログラミング教育の効果の実証研究報告
これまで紹介したロボット競技会を目指すようなロボットプログラミング教室の効果についてことへの実証研究とその結果報告がここ10年でやっとでてきました。
いくつか紹介しますね。
筑波大学などの研究者たちの報告では『物作りへの興味や関心が掻き立てられる』という成果が報告されています。
さらに群馬大学でロボット教室とロボコンを2日間に渡って実施したところ、『2日間の体験が進むに従い、「知識・理解」「メタ認知・態度」「興味関心・意欲」「工夫・創造」の各能力が高まる』という結果が報告されています。
そして、横浜国立大学教育人間科学部教授の川原田康文教授らは、LEGOマインドストームを利用した、1回6時間、合計11回のロボット教室を小学3年生から中学3年生までに 8ケ月に渡って横浜市内で実施して、4か月後に受講の効果についてのアンケートを子供たち実施したそうです。
結果は20人中18人の受講生が『考える力・工夫する力・作り出す力』が高まったと答え、他に10人が『協力する力』、6人が『忍耐力』4人が『負けたくないと思う気持』が身に付いたと答えました。
さらに親へのアンケートでは、『以前はすぐに諦めていたことに対しても根気よく取り組めるようになった。』
『自分が考えていることを順序立てて説明できるようになった。』『計画的に行動できるようになった。』
という回答を得られたそうです。
執筆者代表の川原田先生は、『思考力を伸ばすことを狙って開発した教材とカリキュラムで、思考力・表現力・判断力・順序だてて考える力が養われることを確信した』ということです。