山口周さんが書いた「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」(光文社新書)という本がベストセラーとなり、山口さんは日本で5本の指に入る講演者となっています。
山口さんの思想は私と同じで、『現代社会では創造力のある人間が求められ、かつ活躍している時代である。』というものです。
明治以来、日本では答の決まっている問題について、求められる答を短時間で提出できる学校秀才が重用されて来ました。
日本の学校では小学校から高校まで、問題を与えられ解答するトレーニングをひたすらやらされます。
この学校秀才の頂点が東京大の学生や卒業生の役人や医師、裁判官などでしょう。
しかし、宮崎駿らのアニメーションや村上隆・奈良美智の絵画が世界的に人気となり、孫正義さんや楽天の三木谷浩史さんらのIT起業家が時代の寵児となった時代。
今、求められる人材はこのような創造力に長けた人間です。
山口さんはこの創造力に長けた人間をNEW TYPEと呼んでいます。
学校秀才はOLD TYPEということでしょう。
なので、今日は著書に書かれている2つのタイプの特徴を表にまとめてみました。
札プロの小中高校生コースで目指しているのは創造力・問題解決能力に長けたNEW TYPEの人間の育成です。
OLD TYPE |
OLD TYPE |
- 問題が与えられるのを待ち、正解を探す
- 課題に向きあわずにイノベーションという手段にこだわる
- 未来を予測する
- 目標値を与えKPIで管理する
- スケールを求めて市場におもねる
- 「役に立つ」で差別化する
- HOWを示して他者に指示・命令する
- 論理だけに頼り、直感を退ける
- 生産性を上げる
- 組織のルール・規範に従って「無批判」に行動する
- 量的な向上をめざす
- 一つの組織に所属し留まる
- 今いる場所で踏ん張って努力する
- 命令に駆動され働く
- 専門家の意見を重んじる
- 綿密に計画し、粘り強く実行する
- 一箇所に踏み留まって頑張る
- 奪い、独占する
- サイエンスに依存し管理する
- 要約し、理解する
- 経験に頼ってマウントする
- 空気を読み、同調し、忖度する
- 肩書や立場に応じて振る舞いを変える
- システムに無批判に最適化する
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- 問題を探し、見出し、想起する
- 手段にこだわらず課題の発見と解決にこだわる
- 未来を構想する
- 意味を与え、動機づける
- 自分がやりたいことにフォーカスを絞る
- 「意味がある」で差別化する
- WHAT+WHYを示して他者をエンパワーする
- 論理と直感を状況に応じて使い分ける
- 遊びを盛り込む
- 自らの道徳・価値観に従って「わがまま」に行動する
- 質的な向上を目指す
- 組織間を越境して行動する
- 勝てる場所にポジショニングする
- 好奇心に駆動されて働く
- 素人の門外漢にも耳を傾ける
- とりあえず試し、ダメならまた試す
- すぐに逃げて、別の角度からトライする
- 与え共有する
- リベラルアーツを活用して構想する
- 傾聴し、共感する
- 経験をリセットし、学習し続ける
- オピニオンを出し、エグジットする
- 肩書や立場に関係なくフラットに振る舞う
- システムを批判し修正する
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