受験勉強が忙しいから習い事を辞めます。塾にも通うのでという人の成績は上がるのだろうか?

 今日は。

 小学生・中学対象の学習塾を10年以上経営した横田です。

 今日は学習塾に関する話題の第三弾です。

 最近中3の生徒さんに多いのが「受験勉強が忙しいのでプログラミング教室を辞めます。学習塾にも通うので」という人です。

 この言葉を聞いていつも思うのは「恐らく成績は上がらないだろうなあ」ということです。

 なぜか?

 これは仕事もそうでしょうが「忙しい。時間がない」といってる人は、自分の目標を達成する戦略・戦術を知らいないのですよ。

 私は旭川で一番の進学校に入って国立医学部をめざしていた時に、親に同じように言っていました。

 「今日の外食も僕は行かない。忙しいから。勉強しなければいけないから。」

 その頃、ある本で筑波大学付属駒場高校の生徒がこう話しているの見ました。

自分は高校2年だけれど今東大を受けても簡単に合格できる。

 灘校や筑駒の生徒とそれほどの成績を挙げられない進学校の生徒の違いは、目標を達成するための正しい勉強方法を知っているからどうかだ。

 彼らは勉強方法が間違っているからいつまでたっても成績が上がらないんだね。

 えっ?ではその正しい勉強方法とはどういうものかですって?

(笑)それこそが最高機密のノウハウなのだから誰が他人に教えますか!

 私は医学部受験にギリギリで失敗してから、どうしたら合格できたのかをずっと考えていました。

 その結果、確かに灘校生などの学習方法と札幌南などの学習方法はまったく違うという事を知ったのです。

 ※その灘中式勉強について何冊もの本を書いているのが冒頭の写真にもある灘校、東大医学部卒の和田秀樹先生です。

成果を挙げるには優れた戦略と戦術が必要。ド根性物語は最低の戦術である。

うんと簡単に言いましょう。

 スポーツで勝つ場合、トップに立つ選手は優れたコーチから科学的な優れた身体の使用の仕方、例えば正しいボールの投げ方、サーブの打ち方などを学び、自分でも科学的に研究を重ね、計画的に最小の身体へのダメージで実力をアップさせる必要があります。

 最悪なのは昔のスポーツド根性物語や今でも学校でやっている練習で、長時間、激しく、さして深く考たこともないで常識的に実行している練習を行うことです。

 ですから「時間がない。忙しい」といっている生徒さんは、このスポーツド根性的な苦行に走っている,ということなのです。

 松岡修造さんはテニスの名門柳川高校に入学して、激しい練習で両ひざの半月板を断裂してしまったそうです。

 日本では駄目だと思っていた松岡さんはチャンスを逃さず高校を中退してアメリカの名門テニスクラブ「ホップマン・キャンプ」に飛び込みます。

 そこではコーチが、選手が心から納得しないトレーニングはさせない。という指導を行っていました。

 例えば、「修造、今日はこういうやり方の反復横跳びを40回やろうと思う。このトレーニングの目的は君の〇〇の動きをこう改善するものだ。君はどう思う? 改善点があるならどんどん意見を言ってくれ。」

 といった感じて。

学年7番の先輩は毎日、工芸部で制作をして帰っていた

 私の現代アーティストとしてのホームページにも書いたのですが、(『高校時代、工芸の先生は言った「君は私がやっと出会ったたった一人の天才青年画家だ!」【My History No2】』) 私は高校2年生の時に授業の一環としてのクラブ活動で『工芸』の授業を取り、担当の先生に才能を高く評価され、盛んに入部していた美術部だけでなく、先生が顧問の工芸部にも入部するように何度も教官室に呼び出され説得されていました。

 私は「2つもやる時間がありません。勉強に支障がでます。」

 というと、ある時高3の先輩が「先生、今日も制作していっていいですか?」と教官室に顔を出しました。

 その先輩は毎日のように放課後制作しているということで、先生は、

 「横田君、内ではねえ学年1番で北大医学部確実とか成績の良い人が多くて、そういう人ほど熱心なのだよ。あの先輩も学年7番で東大めざしているんだ。だから、君もやりなさいよ。」

 というのです。

 今思うと、その先輩は実に慧眼で東大生になったときの一番の弱点でもある創造力・芸術を鑑賞する眼をその時養なおうとしていたと思うのです。

 何よりも工芸の制作が純粋に面白かったのでしょう。

 高校では、成績が良い学生ほど余裕しゃくしゃくでした。

 休み時間に勉強している人はほとんどいませんでした。しているのは、私のように成績が思うように伸びなかった人間ばかりでした。

これはなぜなのか?これは何なのかを徹底的に理解しないと成績はあがらない。

 時間がないと焦っている人は、こんな学習方法を取っていませんかね。

 「前回のテストではこの問題集の問題が出た。今回はこの問題集だ。それでも足りないからこの問題集もやろう」

 「次回のテストまでにこれらの問題集を全部やろう。そうすれば必ず高得点が取れるだろう。」

 結果、勉強量はそれほど変わらず、問題集も中途半端にしか解けず、結果は変わらず。

 この繰り返しです。

 高得点を挙げられるであろうという予測に何の根拠もない訳です。

 学習の最大のポイントは「〇〇とは何か?」という、色んな概念を正確に理解することです。

 数学を例にとると、定義とは何か?定理とは何か?2つの違いは何か?

 微分とは何か?それはなぜ発明され何に使うのか?

 つまり、意味も分からず、うる憶えで丸暗記をしても意味がないということです。

 ちなみに、灘中・灘校の生徒は問題集をほとんど解かないそうです。

 解くだけ時間の無駄ですよね。

 分からないものは分からない訳で、解く方法を知らないのだから時間の無駄です。

 だから、まず一番薄い問題集の問題を見て、答と解説を見て、

 「この問題を解くのに必要や定理や定義は何か? この問題の出題者の意図は何で、どう解けば良いのか?」

 を理解していきます。

 こうすると、数学の内容とともに問題の解き方も高速で身に付きますよね。

 毎日宿題を出したり、授業中に黒板の前に立たせて問題を解かせるために問題集の答は渡さない。

 こんなことをやっていた旭川東が灘の足元にもおよばないのは当たり前でしょう。

 灘では板書をノートに書かせない。

 プリントにして配れば良いし、板書すべき内容qなど教科書や参考書に書いてあるからです。

 板書している時は理解と記憶ができなくなってしまいます。

 英語の授業に教科書の訳を言わせるというのもありましたが、愚の骨頂です。

 訳を見ながら単語を覚えていけば良い。

 きちんとノート整理をする。ノートするものなど本に書いてある。時間の無駄です。勉強したつもりになっているだけです。

 紙に書いて覚える。ほとんど意味がない。 眼で覚えて確認の意味で紙に書けば良いのです。

そもそも忙しいといいますが、本当に忙しくしてますか?

生命だけは平等だ 徳田虎雄 徳洲会病院を創設した徳田虎雄さんは徳之島から大阪の進学校、今宮高校に転入し山崎豊子の小説『白い巨塔』のモデルとなった大阪大学医学部を目指します。

 田舎の高校で勉学の面で著しく不利だった徳田さんは、転入後、風呂は1週間に1度、トイレを済ますにも5m前からパンツを下ろす。食事時間は5分か10分と秒刻みで勉学に励みます。

 TVもラジオも新聞も雑誌もレコードも聴かない。

 娯楽は一切なし。通学途中も全て勉強。

 徳田さん曰く

 「最初は学習の仕方が分からなかった。しかし、2年間モーレツに学習していると学習の仕方が分かった」

 これは量を極めて質で飛躍するという例ですね。

 結局二浪して徳田さんは大阪大学医学部に合格します。(この詳細は『生命だけは平等だ』に書いてありますが、こちらのページもご覧ください。)

 ただ、徳田さんのこの『バックギアの無い自動車』と称された生き方は、心身に多大なストレスを与えたようで、64歳で身体がどんどん動かせなくなる病気である、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症して未だに療養を続けておられます。

 これなら忙しいと言えますよね。

 やってますか?このように。

 勉強を始めても雑誌を読んだり、スマホやパソコンをいじったり、TVやラジオを視聴したり、新聞を読んだり、楽器を弾いたり。ゲームをしたり。

 してるでしょう?

 私もそうでした。

 実際は全然やっていない。だからこそ「やらなければ」と焦る。

 そこで、学習計画表を長い時間かけて作る。

 でも、その通りには実行できた試しがない。

 いつも、しているつもりなのです。

 部活動や習い事をしないことで、自分は少し受験で優位になれたと感じられる。

 でもそれは自己満足でしかない。

 ◆繰り返しますが、徳田さんのようにやらないならば目標を達成できる確実な方法を知らないで、闇雲に努力しても空振りに終わるという至極当然のことを理解していただきたいと思います。

 

 

 

 

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