東京大学医学部付属病院 写真「情報オリンピックって、結局どれくらいすごいの?」――東大入試と比べてわかりやすく説明します

「情報オリンピックって、結局どれくらいすごいの?」――東大入試と比べてわかりやすく説明します

「JOI(日本情報オリンピック)でAクラスに入る」「金メダルを取る」と聞いても、正直どれくらいすごいことなのか、ピンとこない方が多いと思います。

そこで今回は、多くの人が知っている「東京大学の入試(特に理科三類=医学部コース)」と比べることで、JOIのレベル感をわかりやすく説明します。


まず、JOI本選とはどんな大会か

JOI(日本情報オリンピック)は、高校生以下を対象にした、日本一の競技プログラマーを決める大会です。プログラミングの大会というより、「与えられた問題を、決められた時間内にどれだけ効率よく解くプログラムを書けるか」を競う、頭脳競技です。

最終段階である「本選」は、次のようなルールで行われます(2024/2025年度の公式データより)。

項目 内容
競技時間 4時間
問題数 5問(1問100点、合計500点満点)
本選に出られる人数 全国でおよそ185名
Aクラス(最上位) 306点以上で、35名前後
Bクラス 200〜305点で、116名前後
Cクラス 200点未満
メダル 成績上位者の中から、原則として金・銀・銅、各1名のみ

ポイントは、そもそも本選に出場できる185名自体が、全国の応募者数千人の中から勝ち上がった人たちだということです。そこからさらに上位35名(全体の約19%)がAクラス、そしてたった3名だけがメダルを取ります。


次に、東大理科三類(理三)の入試とはどんなものか

東京大学には「科類」という入り口があり、その中でも理科三類(理三)はほぼ全員が医学部に進む、日本でもっとも入るのが難しいコースとして知られています。

項目 内容
二次試験の科目 国語・数学・理科(2科目)・外国語の合計4教科
数学の配点 120点満点(6問×20点)
理三の定員 約100名
偏差値の目安 予備校データではおおむね72〜80程度
難易度の目安 受験生全体の上位0.1%前後ともいわれる超難関

数学だけを見ると、6問のうち、非公式の集計データでは、合格者の平均点はだいたい80〜90点くらい(6問換算で4問〜4問半くらい)といわれています。ただし東京大学は科目ごとの平均点を公式には発表していないため、これはあくまで「だいたいこれくらい」という目安です。年によってかなり点数の差があることも分かっています。

ちなみに、京都大学医学部(京医)も、理三に次ぐ全国トップクラスの難関として知られています。偏差値ではほぼ同じくらいですが、試験の性質(時間の厳しさなど)が違うため、単純に「同じ」とは言い切れない、というのが専門家の共通認識です。


では、JOIと東大入試を並べてみると

ここからが本題です。2つを並べて、レベル感をイメージしやすくしてみましょう。

JOIのレベル 人数のイメージ 東大入試でいうと近いイメージ
本選に出場できる 全国で約185名 東大理系(理一・理二)に、数学が得意な状態で合格できる層
本選Aクラス 上位約35名(全体の約19%) 理三を本気で狙える、数学がかなり強い層
銅メダル 上位3名のうちの1人 理三合格者の中でも、数学がとくに強い上位層
銀メダル 上位3名のうちの1人 理三合格者の中の、さらに上位層
金メダル 全国でただ1人 理三合格者の中でもトップ、数学で全国に名前が知られるレベル

この表は「点数をそろえた厳密な比較」ではなく、「立ち位置のイメージ」として見てください。理由は次の章で説明します。


なぜ「厳密には比べられない」のか(誠実に説明します)

JOIと東大入試は、実は問われている能力の種類が少し違います

  • 東大の数学:問題を見て「どう解くか」を思いつき、それを答案として正確に書く力(発想力+記述力)
  • JOI:問題を見て「どう解くか」を思いつくことに加えて、それを実際に動くプログラムとして書き、制限時間内にコンピュータで実行が終わるように作り上げる力(発想力+実装力+本番での立ち回り)

たとえるなら、東大数学は「正しい設計図を書けるか」を試す試験で、JOIは「正しい設計図を書いた上で、それを期限内に実際に建ててみせる」ところまで求められる試験です。JOIの方が、要求される能力の"幅"が広いともいえます。

実際、過去に本選に出場したある生徒は、「考え方は正しかったのに、プログラムの細かい書き方が原因で時間内に処理が終わらず、得点を伸ばせなかった」という経験をしました。これは東大数学にはない、JOI特有の難しさです。


まとめ:JOIのAクラス・メダルが、なぜすごいのか

  • JOI本選に出場する時点で、すでに全国でもかなりの上位層
  • そこからAクラスに入るのは、東大理系の中でもさらに数学が強い層に近いイメージ
  • メダル(特に金メダル)は、全国でたった1人。例えるなら理三合格者の中でもトップクラス、というレベル

「プログラミングが得意」というだけでは届かない世界です。発想力・実装力・本番での冷静な立ち回り、その3つすべてが高いレベルで噛み合って初めて到達できる場所、それがJOIのAクラスやメダルです。

札幌WEBプログラミングスクールでは、こうした全国レベルを目指す生徒さんに対しても、アルゴリズムの指導だけでなく、本番で力を出し切るための実戦的なトレーニングまで含めてサポートしています。


※本記事の数値は、2024/2025年度JOI公式発表データ、東京大学公式発表データ、各種予備校・受験情報サイトの集計データをもとにしています。年度によって基準点や難易度は変動するため、あくまで目安としてご覧ください。

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